五感で楽しむVTuber文化の祭典。「hololive SUPER EXPO 2025」レポート【後編】

カバー株式会社が運営する「ホロライブプロダクション」の大型イベント「hololive SUPER EXPO 2025 Supported By BANDAI」および「hololive 6th fes. Color Rise Harmony」が、2025年3月8日(土)、9日(日)に幕張メッセ 国際展示場にて開催されました。

COVERedge(カバレッジ)EXPO特集第2回は、前回に引き続き、担当者インタビューを通して自社ブースをご紹介するレポート後編となります。運営側の視点から見た各ブースの特徴、思わぬ嬉しい出来事、今後の展望など、舞台裏の様子を余すところなくお伝えします。

「一体感と思い出を大切に」多彩なブースが創り出すアーケード体験

⑦ENigmatic Recollection

「ENigmatic Recollection」では「リベスタル城」や「聖域」などのモチーフが展示され、物語の世界観が再現されました。その他にも、舞台・キャラクターに関する設定資料や、実際にあったエピソードを紹介。マントを身にまとった「ホロライブEnglish」所属タレントたちが立ち並ぶ空間で、2024年9月に実施した第1章の追体験ができるブースとなっていました。

Q. 「ホロライブEnglish」所属タレントを存分に楽しめる企画としてこだわったポイントはありますか?

EXPO自体は日本開催のため、企画の詳細を知らない方も一定いらっしゃったと思うのですが、今回は全く知らない方への紹介ではなく、「追体験」を大切にしました。企画を実際に見ていただいていたファンの方々が訪れたときに、懐かしい気持ちになったり、思い出していただける展示となるようこだわりました。

Q. 今月には「ENigmatic Recollection」第二章の実施もありましたが、本企画の今後の展望について教えてください。

このプロジェクトはオリジナルで作りあげた物語・世界と、タレントさんたちの自由な発想によって巻き起こる物語が掛け合わさることで、思わぬ展開(ときには感動、ときにはユーモア)を届けられることが最大の魅力だと思っています。
今回のEXPOで実際のファンの皆様の熱量を感じ取り、「一緒に盛り上げていく」ということをより意識していきたいと改めて感じました。
今後は、ファンの方々がただ見るだけではなく、積極的に関わり物語の一員になっていただくことで、より一層素敵なコンテンツを創り上げていきたいです。

⑧ホロカ イン ワンダーランド

『hololive OFFICIAL CARD GAME』(以下、ホロカ)のブース「ホロカ イン ワンダーランド」では『不思議の国のアリス』をテーマに、ホロライブとアリスの世界観を融合させたファンタジックなブースを展開。会場でも一際目立つ大きなホロカのつるし展示に加えて、遊び方教室や、特別なエールカード1枚とサンプルデッキの配布も行われました。

Q. ブースのコンセプトや工夫した点について教えてください。

1つ目は『不思議の国のアリス』をコンセプトに採用し、「小さいものを大きく見せること」「誰もが一目で魅力的と感じる世界観」を実現するための演出にこだわりました。
2つ目は、ホロカならではの「独自世界観の拡張」への挑戦です。現在はタレントさんの活動や個性を反映したカードが中心ですが、今後は特定のテーマやコンセプトを通じて、タレントさんの新たな一面や物語を描き出すことにも挑戦していきたいと考えています。

Q. EXPOを通じて印象に残ったエピソードを教えてください。

ホロライブコミュニティの温かさを改めて感じました。SNSではホロカをきっかけにホロライブを知り、ファンになった方がEXPOに参加し、多くのファンと交流している様子がSNSへ投稿されていました。初めて参加したファンに対して、経験豊富なファンが楽しみ方を教えたり、交流コミュニティを紹介したりする姿が印象的でした。
ホロカを通じてタレントさんを知り、好きになってもらい、ファン同士がコミュニティを”共創”していくことは、プロデューサーとして目指していた目的の一つでした。その目的が形になった瞬間を目の当たりにし、非常に感慨深く感じました。

⑨もちぽよちゃん

オリジナルキャラクタープロジェクトとして2023年に誕生した、ゆるくて可愛いがコンセプトの「もちぽよちゃん」。ブースでは世界観に入り込めるフォトスポットとして、床まで全面プリントされた没入感ある空間を創出。「巨大もちぽよぬいぐるみ」や質感にこだわった「もちぽよウォール」など、触れて体験できる展示が人気を集めていました。特に撮影用の台「ぬい撮りスポット」を設置したことで、来場者の推しぬいぐるみともちぽよちゃんのツーショット写真を撮影することができ、SNS上では「#もちぽよちゃん」というハッシュタグで数多く投稿されました。

Q. 来場者の反応はいかがでしたか?

男女問わず、「巨大もちぽよぬいぐるみ」や「もちぽよウォール」を触って楽しむお客様が多く見られました。当初は「もちぽよちゃん」のターゲット層が女性であることから、男性ファンが多いEXPOで受け入れられるか心配していましたが、両日列が途切れることなく、幅広い層に楽しんでいただけたことを嬉しく思います。
また「もちぽよウォール」は特にインパクトが強く、通りすがりに触りに行ったり、待ち合わせ場所になっていたようです。もちぽよちゃんのモチーフに参加していないホロライブメンバーのサインも多く集まり、好意的に受け入れられていることも嬉しかったです。ブース内3箇所に設置したアンケートには2,383件もの回答が集まり、グッズ化やアニメ化など幅広いコンテンツ展開への期待が感じられました。

Q. 「ぬい撮りスポット」が人気だったようですが、このアイデアはどのように生まれたのですか?

前回のEXPOで、巨大もちぽよと自身の推しぬいぐるみを一緒に撮影するお客様がたくさんいらっしゃったことを思い出し、昨年の年末「お客様の推しぬいぐるみを置ける台を設置して、専用のぬい撮りスポットを作りたい!」と無理を承知でイベントチームに相談しました。ギリギリの対応でしたが、イベント担当者の方々と実現することができ本当に感謝しています!おかげで写真も多く撮影いただき、賑やかでかわいいフォトスポットとなりました。

⑩ホロプラス アーケード

“推しをもっと好きになる!”ホロライブプロダクション公式アプリ「ホロプラス」の展示「ホロプラス アーケード」では、ゲームセンターをイメージしたクールなコンセプトで、カラー照明やネオンサイン、アニメーションするロゴモニュメントが印象的な空間に。ブース内に設置されたコミュニティノートには、ホロプラスや、推しのタレント、ホロプラス宣伝隊長の春先のどかさんへ向けた暖かいメッセージが多く書き込まれました。

Q. ブース設計で特にこだわったポイントを教えてください。

限られたスペースの中でも楽しんでいただける世界観の演出にこだわったほか、様々なコミュニケーションが生まれ、思い出を残せる場となることを目指しました。またゲームセンターでおなじみの “コミュニケーションノート” を設置し、運営チームからユーザーの皆さんへの感謝や今後の意気込みをお伝えしたのですが、ノートには運営チームに向けた応援メッセージもいただきとても嬉しく思いました!

Q. 来場者の反応はいかがでしたか?

大切な推しのぬいぐるみと一緒にEXPOにご来場される方が、昨年よりもさらに多くなっていることを実感しました。おかげさまでぬいぐるみの撮影スポットは大変好評で、たくさんの方に撮影していただき、「ホロプラス」やXにも投稿いただいた写真をチームメンバーみんなと楽しく拝見し元気をいただきました。今回のEXPOを通して「ホロプラス」のコミュニティの温かさ・盛り上がりを改めて認識することができ、感謝の気持ちでいっぱいです。今年度はホロプラスの楽しみ方をさらに拡張する大胆なアップデートをいくつか予定していますので、ぜひ楽しみにしていてください!

⑪ホロライブ公式YouTubeチャンネル メンバーシップ「壁紙画廊」

「ホロライブ公式YouTubeチャンネル メンバーシップ」は「壁紙画廊」として、普段はデジタルで提供している壁紙を大きなサイズで展示。細かなイラストの修正や色味調整が印刷に向けて施され、タレントの直筆サインも加わり、とても見応えのある画廊となりました。

Q. 来場者の反応はどうでしたか?想定外の出来事はありましたか?

アーケード内の「ゆっくりすごせる憩いの場」をコンセプトとしていましたが、想像よりも多くのお客様にご来場いただき、嬉しい誤算となりました。展示をみたり、写真を撮られている方のよい表情が印象に残っていて、実現できてよかったと感じています。
また、コミュニティ投稿アンケートで「もっと会場の写真が見たい!」というご意見もあり、社内相談を経て、会場のスタンディ(立ちパネル)やサインウォールの写真をメンバーシップコミュニティで投稿したところ、大変好評でした。

Q. EXPOならではの発見はありましたか?

例えば「タレントさんの隠しメッセージが、別のタレントさんのスタンディの裏側に書いてある」などの見どころが、タレントの皆さんの手によって開催の数日前に追加されるのがEXPOのおもしろい点だなと感じました。事前の雑談配信などでご本人から紹介されると、一気にコミュニティでの「見どころ」の筆頭に上がって来て、実際に「それが見たい!」というお声がメンバーシップのアンケートでもありました。今回の写真投稿で、現地に来られなかったファンの方や、まわりきれなかった参加者の方にも、少しでも届けられるとよいのかなと考えています。

⑫HOUSE OF FLOW GLOW EXPO 2025 ver.

2024年11月にデビューした「FLOW GLOW」のブース「HOUSE OF FLOW GLOW EXPO 2025 ver.」では、デビュー時の原宿で開催されたポップアップイベント「HOUSE OF FLOW GLOW」を再現しつつ、デビュー4ヶ月後の「FLOW GLOW」メンバーからファンへのメッセージも展示。「FLOW GLOW」メンバーのコスプレをしている方やデビュー時に発売したロングTシャツを着ている方も多く見られました。

Q. ブースのコンセプトやテーマや、印象に残っている企画やエピソードの感想などを教えてください。

(今までの)イベントを通じて、タレントさんのファンになっていただいた方々がこんなにも多く、熱量高く楽しんでいただいていることを目に見て感じ、運営としてもこれから仕掛けていくコンテンツ作りに変わるパワーをいただきました。「FLOW GLOW」は、まだまだこれからラップというスキルを使いながら皆様に驚きと楽しみを届けてまいります。
「DEV_IS」では音楽を主軸とした成長コンテンツを様々な形で届ける計画をしていますので、引き続き注目していただけると嬉しいです。

Q. 2024年11月にデビューした「FLOW GLOW」にとって初のEXPOとなりましたが、「初」としてこだわったポイントはありますか?

やはりなんといっても、毎年恒例であるEXPO会場の練り歩き企画「FLOW GLOW WALKING RADIO〜EXPOをノリノリでジャック!〜」に参加してホロライブプロダクション最大規模のイベントを盛り上げるという役目を達成するということでした。展示に加え、生配信でメンバー5人がより多くの方にタレント同士の掛け合いや関係性を楽しんでもらうことで、会場を盛り上げるのはもちろんのこと、個人の配信やユニット活動にも興味を持ってもらえたらと考えていました。

体験型コンテンツが創り出す賑わいは、まさにお祭り

今回のEXPOでは、全ブースを通して「ファン体験」を重視し、推しのタレントと同じゲームを楽しんだり、作品の世界に没入したりできるような施策が展開されました。各ブース担当者のインタビューからは、「ファンの熱量に引っ張られた」「想像を超える反響をいただいた」「来場者同士の交流が印象的だった」とEXPOの盛り上がりに驚きと感謝が溢れていました。

また、ファンの皆様も、受動的に楽しむだけでなく、待機列での交流や、推しぬいぐるみなどのグッズ活用をはじめ、主体的にコミュニティを形成していただいていたことも印象的です。海外からも多くのファンが訪れており、言語の壁を超えた交流の場面も随所で見られ、お祭りのような賑わいを見せていました。

特集第3回は来場者インタビュー。EXPOへ来場された方々の生の声をお届けします。

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