ホロライブ×リアルイベントの新しい可能性を共創する。「超超超超ゲーマーズ2」ABEMA|カバー対談

2025年7月5日(土)と6日(日)、ホロライブゲーマーズによるリアルイベント「hololive GAMERS fes. 超超超超ゲーマーズ2」(以下、「超超超超ゲーマーズ2」)がさいたまスーパーアリーナで開催されました。

動画配信事業を運営する「ABEMA」が主催し、2日間で3万5千人が熱狂した当イベント。本稿では「超超超超ゲーマーズ2」のレポートと、ABEMA・カバー両社の担当者による対談をお届けします。

【レポート】ゲームパートとライブパートで熱狂!「超超超超ゲーマーズ2」

ホロライブゲーマーズとは、ホロライブプロダクションの白上フブキさん、大神ミオさん、猫又おかゆさん、戌神ころねさんが所属するユニット。その名の通り、ゲームが大好きなメンバーが集まっています。

当イベントはホロライブゲーマーズの4名をメインキャストにしたリアルイベントです。第一弾である「hololive GAMERS fes. 超超超超ゲーマーズ」が2024年5月に代々木体育館で実施され、大好評を受けて今回の「超超超超ゲーマーズ2」が実現しました。

当イベントは、タレントがゲームに挑戦するパートと、歌とダンスを披露するライブパートで構成されていました。初日のオープニングは、4名が新衣装で登場し、ユニットオリジナル曲「We Are GAMERS !!!!」を披露。2日間のお祭りを華々しく開幕させました。

ゲームパートに突入すると、4人のモチーフをあしらった巨大なコントローラーがステージに登場。「ビビッター」という度胸試しのようなゲームに挑戦し、個人戦1位のミオさんがウイニングポーズでのスクショタイムを勝ち取りました。続いては、「超超超超ゲーマーズ2」にふさわしい、”超超超超豪華”なゲストが登場。百鬼あやめさん、天音かなたさん、姫森ルーナさん、鷹嶺ルイさんを迎え、ゲーマーズチーム・ゲストチームに分かれて3Dパズルゲーム「ホロライブお宝マウンテン」をプレイ。ホロライブファンにはお馴染みのゲームですが、BGMや立ち絵、ボイスなどがイベント仕様に特別アップデートされており、随所の演出に歓声が上がりました。

続く「ガンガン伝言ゲーム」もチーム対抗で臨みましたが、引き分けとなったため、今回は出演者全員でスクショタイム。ファンのみなさんには、一番うれしい展開だったかもしれません。ゲームパートの最後は鷹嶺ルイさんMCのもと、オリジナルゲーム「ゲマズBINGO」を実施。メンバーの協力が必要なものや、ホロライブメンバーの物まねを盛り込んだミッションなど、BINGO達成に向けて全力を尽くすゲーマーズに会場も大盛り上がりでした。

ライブパートでは、メンバーのオリジナル曲やカバー曲を盛り込んだスペシャルメドレーと、ユニット新曲「To Be Continued….」を披露。4人のアイドルとしての魅力を存分に届けました。

2日目も「We Are GAMERS !!!!」でスタートしましたが、ゲームは1日目とはガラっと変化。パーティーゲーム「Gang Beasts」では叫び声や爆笑が上がり続け、個人戦ではおかゆさんが見事勝利。続いては、1日目に続き”超超超超豪華”なゲストに大空スバルさん、さくらみこさん、フワワ・アビスガードさん、モココ・アビスガードさんを迎えての「声マネキング」。その場で観客の歓声を録音し、出演者が声マネで再現するという、リアルイベントならではの楽しみもありました。

タレントのフィジカルが最も試されたのが、「ポコポコもぐらハンマー」。ハンマーで叩くチームと叩かれないようにモグラを壁から出し入れするチームに分かれ、白熱の勝負が繰り広げられました。2日目最後のゲームは、MCにさくらみこさんを迎えての「ゲマズQUIZ」。「さくらみこが好きなこと・好きなものを8つ答えよ」というクイズに苦心するメンバーなど、最後まで目が離せない波乱万丈な展開となりました。

ライブパートのメドレーも、1日目から変化。それぞれの思いがこもった選曲や2日間のクライマックスでもある全力のパフォーマンスに、会場もペンライトやコール&レスポンスで応え続けます。ラストは「To Be Continued….」で大団円を迎えました。

「お客様へのベストな体験と感情を軸に両社で追求し続けた」担当者が明かす裏側

:賀持舞(株式会社AbemaTV 興行本部イベントプロデュース局 イベントプロデューサー)
左:小寺桃加(カバー株式会社 ゲーム事業開発室 事業グロースチーム マネージャー/プロジェクトマネージャー)

 ――まずは、第1回目となる「超超超超ゲーマーズ」(2024年5月開催)が立ち上がったきっかけを教えてください。

ABEMAさんから「イベントをしませんか」というお話をいただいたのが最初ですよね。

ちょうど、弊社の役員が、カバーさんのゲーム事業開発室の方とお会いする機会がありました。当時、カバーさんではすでに音楽ライブを開催されていましたが、それとは異なる形のイベントを実施することでタレントの皆さまにもファンの皆さまにも新しい楽しみを提供できるのではと考え、ゲームを主体としたイベントをご提案しました。

カバーでは、決算末である3月に「hololive SUPER EXPO & fes.」という、年間最大規模のイベントを行っています。全社的に盛り上がる一方、相対的に年度初めのQ1(4月〜6月)にはインパクトのある施策が打ちづらい状態だったんです。「その解決にもなるかも」ということで、話が進んでいきました。

最初にお話を持ちかけたときは、まだ会場が決まってなかったんです。ところがやり取りをしている間に、5月の国立代々木競技場 第一体育館を2日間押さえられることになりまして。時期的にも、先ほど小寺さんがおっしゃった通り、カバーさんにとって非常に良いタイミングだったと思います。とはいえ大きな会場でしたので、そこはカバーさんに勇気あるご決断をいただいたというか。

――カバー側としては、不安もありましたか?

もちろん不安はありました。ABEMAさん側もタレントさんの理解度が高い方をアサインしてくださったので、中のコンテンツ作りの部分は安心でした。ただ、そもそもゲーム主体のイベントは弊社に前例がなかったので、「果たして人が集まるのか」と。

――でも2が開催されたということは、1は良い結果だったということですよね?

おかげさまで、2日間とも注釈付き指定席席含め完売。むしろ会場のキャパが足りなかったのではと思うほどの反響をいただきました。さらに、第1回では大神ミオさんが体調不良のため出演を見送られたこともあり、「次は、みなさんそろった状態で第2回を開催したい」という気持ちもあったんです。もちろん、そうした期待の声はタレントの皆さまやファンの皆さまからも届いておりました。

お客様の満足度も高いものでしたが、タレント側の満足度についても、想定を超えることができました。第1回のときはタレントさんとの連携も手探りな中で企画や演出を創り上げていましたが、第2回はすでにタレントさんの中でもイメージの構築ができていたので、お互い安心感を持って会場を押さえることができましたね。 

この2社だから実現できたこと

――第2回に向けて、両社としてはどんな意識を持って準備していきましたか?

「超超超超ゲーマーズ2」のお話が始まったのは2024年の10〜11月頃ですが、本番までの間、両社で週1回のオンライン定例会議を行っていました。最初の方は「こういうイベントにしたいですね」という大枠の話し合いから始まり、次第にゲームパートはどうするか、ライブパートはどう見せるか、ステージの演出や装飾をどうしていくかなど、具体的なテーマをもとに議論を進めていきました。

その週のアジェンダによってABEMAさん側は一部参加者が変わりましたが、全体では常に20人くらいが参加していました。ABEMAさんが丁寧な資料を用意してくださったおかげで、進めやすかったと感じています。
第1回が多くの反響を頂けたということは裏を返せばお客様の期待値が高いということ。そのハードルをどうやって超えていくかは、ABEMAさんとかなり重点的に話し合いました。先ほど賀持さんも触れてくださいましたが、第2回は4人全員そろって出られるので、もっと多くの方に見ていただきたい。それで会場を悩んでいたところ、とても良いタイミングでさいたまスーパーアリーナ2daysをご提案いただきました。
さいたまスーパーアリーナの規模になると、ステージから一番後ろの席までの距離が非常に長くなります。ゲームパートやステージ装飾など、どんな内容・演出であればお客様全員がしっかり見えるかが重要なポイントでした。そのためABEMAさんと一緒に、会場の座席を実際にすべて歩き回って見える光景をくまなくチェックしました。

――ほかにも、第2回で工夫したポイントはありますか?

今年はお客様の退場時に、銀テープや「ホロチャージ!」(ホロライブのオリジナルエナジードリンク)の配布を行いました。これらについては、SNSでも「嬉しかった」というお声をいただけました。小さなことかもしれませんが、イベントが終わって帰るタイミングにも嬉しい気持ちになっていただける仕掛けができたので、良い体験を生み出せたと感じています。
何をやるにしても、「お客様がどう感じるか、何があったら喜びが最大化するか」という点を常に一緒に考えられたのは、パートナーがABEMAさんだったからだと感じています。

主催といえ、我々はあくまでもホロライブのブランドをお預かりさせていただいている立場ですので、タレントの皆さまとカバーさんが大事にされている部分に寄り添うことが大前提でした。我々のチームメンバーも、その点については全員がインプットしたうえで準備に臨んでいました。

それと今回、ABEMAさんが控室に「駄菓子屋さん」を用意してくださったんです。タレントさんもそれを見た瞬間、わっと盛り上がっていて。みなさんくじで遊んだり、駄菓子を食べながら談笑したりしていて、そういったご配慮をいただけたこともタレントさんのポジティブな感情につながっていたのかなと感じています。

どうしてもリハーサルと本番の間には、一定の待機時間が発生してしまいますが、第1回の際にはそのお時間をお待たせするだけになってしまいました。今回はできる限り退屈することなくお楽しみいただけたらと思い、ご用意させていただきました。

――改めて、ABEMAさん主催だから実現できたと思う点を、改めて両社の視点からうかがいたいです。

ABEMAさんはペイパービューでの配信機能も備えているため、配信ともスムーズに連携できたのはABEMAさんならではの強みだと感じましたね。加えて進行段階で印象深かったのは、提案のスピード感です。グッズや企画についてご提案いただいた際など、弊社からのフィードバックをお伝えした後、代替案が出てくるのが非常に速く、クオリティも高いものでした。

ABEMAでは多様なジャンルの番組制作やイベント制作を手掛けているので、ホロライブの皆さまが普段実施されている音楽中心のイベントとはまた違う形で、これまでの経験を活かすことができたのではと考えております。企画やグッズ展開、配信をはじめ、サイバーエージェントグループが得意とするマーケティングや宣伝施策、さらに協賛営業に至るまで、ほぼ社内のワンチームで完結させる体制を整えております。一部については外部パートナーの方々にご協力いただきましたが、そういったリソース面においてもお力添えできたのではないかと思っております。 

ABEMAが考える、ホロライブの魅力と可能性

――カバー側の体制についてもお聞きしたいのですが、超超超超ゲーマーズというイベントはゲーム事業開発室の管轄とのこと。小寺さんが所属するゲーム事業開発室について教えていただけますか?

主な業務は、ゲーム制作プロデュース、ゲームクリエイターさんのサポート、ゲーム関連領域イベントの開催(オンライン・オフライン問わず)の3つに分けられます。いずれもゼロイチで座組を考えるところから取り組むプロジェクトが多く、仕事の型が決まっていないケースばかりです。私はマネジメントをする立場でもあるのですが、日頃メンバーを見ていても自由度の高い部署だからこそ、それぞれの得意なことや強みを活かせる場所を見つけやすいのが魅力だと感じています。もちろんゼロイチから生み出すことは簡単なことではありませんが、そこに対してポジティブな感情で向き合うチームだからこそ、本イベントや獅白杯、『デス・ストランディング 2』(コジマプロダクション)作品内へのタレント出演など、ゲームを通した新しい体験を作れていると感じています。

――今、何名ぐらいの方が所属しているのでしょうか?

20名ほどですね。正式に部署として立ち上がったのが2024年10月なのですが、その時点では4~5人しかいなかったんです。私たちは、カバーが掲げるミッション「つくろう。 世界が愛するカルチャーを。」の達成に向けグローバルコンテンツ市場を見据えており、来年再来年、あるいはそれ以降に向けた施策の準備を始めています。それに伴って、組織も急速に拡大している形です。

ーー今年の5月、COVER AWARD2024という社内アワードで、「枠超え」賞という賞を受賞されました。 

「超超超超ゲーマーズ1」に対するプロジェクト賞という形で、アワードをいただきました。超超超超ゲーマーズは、ゲーム事業開発室に限らない、数々の部署で連携しながら進めました。カバーは「果敢にしかける」「枠を越えて結集する」「結果にこだわる」という3つのバリューを掲げているのですが、こうした社内連携と、AMEBAさんへのライセンス貸し出しという新しい座組みが「枠超え」を達成できたという評価につながったのかなと思っています。

 ――VTuberだけでなくさまざまなIP、カルチャーを扱うプラットフォームであるABEMAさんから見て、ファンダムを含めたホロライブプロダクションの魅力はどういうところにあると考えますか?

タレントの皆さまの配信やイベントでの様子を拝見していると、ファン同士が熱心に交流されているのが特徴的だと感じています。イベントでは集合写真を撮っている方々もいらっしゃいますし、「推しをみんなで応援しよう」という文化が根付いていますよね。ファン同士の交流も楽しむために、現地にへ足を運ばれる方も多いのではと思います。
また、これは日々の配信を通じたコミュニケーションの積み重ねになるかと思いますが、タレントの皆さまとファンの皆さまとの絆が非常に強いと感じています。弊社では「超超超超ゲーマーズ」のほかにも「ホロごえっ!」(ABEMAオリジナルのレギュラー深夜番組)などでホロライブさんとご一緒させていただいておりますが、そうした外部への露出の際も、「推しを応援しに行くぞ!」という温かい気概を感じます。もちろん、もともとのファン層の広さもあると思いますが、それ以上に一人ひとりの熱量が総じて高いことが特徴的だと感じています。

――今後の可能性については、どのように感じていますか?

ご一緒させていただく中で感じるのは、タレントの皆さまがそれぞれに魅力的で強い個性をお持ちであり、自己プロデュースにも非常に優れていらっしゃるという点です。ABEMAとしても、イベントの場にとどまらず、そうした個性や魅力がより一層発揮される新たな活動の場をカバーさんと共に広げていければと考えております。

イベントデータ「hololive GAMERS fes. 超超超超ゲーマーズ2」

◆開催日時
2025年7月5日(土)・7月6日(日)

◆会場
さいたまスーパーアリーナ

◆主催
株式会社AbemaTV

◆公式サイト
https://contents-abema.com/hololivegamersfes-2025

◆関連動画

【#超ゲマズ2_day1】hololive GAMERS fes. 超超超超ゲーマーズ2【チラ見せ】

【#超ゲマズ2_day2】hololive GAMERS fes. 超超超超ゲーマーズ2【チラ見せ】

【超超超超ゲーマーズ2|ダイジェスト映像】2025/7/5(土).6(日) @さいたまスーパーアリーナ

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