カバー株式会社コマース本部で、公式アプリ「ホロプラス」の開発をしているエンジニアのHです。
2026年の前半、ホロプラスで「ホロプラスくじ」と「タレントタイムライン」という2つの機能をリリースしました。この記事では、それぞれをどんな背景で作り、どんなことを考えて設計したのかを紹介していきます。
ホロプラスくじ
ホロプラスくじとは
ホロプラスくじは、チャンネルの投稿(スレッド)に「くじ」を設定し、ファンの皆様がコメントで参加できる公式くじ機能です。
くじが設定された投稿に、指定のキーワードを含むコメントを送ると、その場で抽選が行われます。当たるとコメントに当選画像が表示されます。EXPOの会場では当たり画面を提示すると、限定のロゴステッカーと交換できました。
以下は開発画面の画像です。


開発のきっかけ
もともとはEXPO会場のホロプラスブースにおいて、公式ショップなどでよく行っている、アプリをダウンロードしてくれた人に限定カードを配る企画を予定していました。
しかし、カードを配るだけだと、ダウンロードしてもらえても景品を受け取って終わりになってしまいます。せっかくEXPOで盛り上がっているなら、ホロプラスの中で投稿も行ってほしいと考えました。そこで、「投稿にコメントするとその場で抽選される」参加型のくじに発展させました。
さらに、EXPOのためだけに作って使い捨てるのはもったいないので、他の企画やタレントさんも使える「くじ機能」を作ることにしました。
先ほど触れたとおり、ホロプラスくじはオフラインの企画から、アプリ上で参加できるくじへと発展して生まれたものです。アプリの機能として作ることが固まった時点でEXPOが迫っており、限られた期間で作り上げることが前提になりました。
短期間で実現するために
短期間で実現するのに大事だったのは、新しく作る部分をできる限り減らすことです。
くじの実現方法として、機能を一から実装するやり方もありました。しかし、限られた期間でそれをやると間に合わないリスクが高くなると考えました。そこで選んだのが、「すでにある投稿+コメントの仕組みに相乗りする」という方針です。
ホロプラスには、投稿(スレッド)に対してファンの皆様がコメントできる仕組みがあります。くじは、この投稿に「特定のキーワードを含むコメントで抽選する」という設定を加える形にしました。
この判断には、2つの理由があります。
- すでにある仕組みを再利用するので、新しく作って検証する範囲がかなり小さくなる
- くじを「特定の投稿+コメントのキーワード」という汎用的な形で表現したことで、EXPOだけでなく、公式番組やタレントさんの企画でもくり返し使える機能になる
範囲を絞った一方、今回特に力を入れたのが「抽選そのもの」です。誰が参加しても公平な結果になるよう、外部から操作できない仕組みを整えました。短い開発期間の中でも、特に妥協しなかった部分です。
EXPOでの盛り上がり
くじの開始から十数分ほどで、用意した当選枠が出尽くすほどの反響がありました。短い時間ながら、大きな盛り上がりを届けられました。
想定を遥かに超える反響をいただき、機能としての新しい成功体験を得られました。
一方で、用意した当選枠が短い時間でなくなってしまい、引きたくても間に合わなかった方が多くいらっしゃったのも事実です。反響の大きさに見合うだけの当選枠の規模や提供の仕方を整えていくことは、次への課題だと感じています。
ホロプラスでは、今後もこうした配信やイベントと連動した企画にもスピード感を持って取り組み、盛り上げに貢献したいと考えています。
タレントタイムライン
タレントタイムラインとは
タレントタイムラインは、これまでタレントごとに分かれていたチャンネルの一覧を、全タレントの投稿が時系列で流れる総合タイムラインへと作り替えた機能です。
タレントの皆さんは、これまで必須だったタイトル入力が任意になり、写真1枚や短い一言だけでも気軽に投稿できるようになりました。ファンの皆様は、タレントタブを開くだけで全タレントの最新の投稿を一覧でき、「推しの投稿だけ」「ボイス付きだけ」のように、見たいものをすばやく絞り込めます。
開発のきっかけ
きっかけは、タレントさんからの「投稿の表示をタイムライン化してほしい」という声でした。
これまでのタイトル必須の投稿には、ブログのように構えてしまう感じがあり、日常的な更新の妨げになっていました。また、タレントさん同士のやり取りも、投稿を開かないと埋もれて見えない、という課題がありました。
そこで、投稿のハードルを下げ、タレントさん同士の交流をファンの皆様が自然に楽しめる「タイムライン」へと作り替えました。


タイムラインを高速に表示する仕組み
全タレントの投稿を1本のタイムラインにまとめて表示するうえで、一番意識したのは表示の速度でした。
タイムラインには、タレントさんの投稿・コメント・返信が、時系列に流れていきます。タブを開くたびに、これらを一から集めて並べ直していたら、投稿が増えるほど表示は重くなってしまいます。
投稿そのもののデータは既存のタレントチャンネルの仕組みをそのまま活かし、新しく作ったのはタイムライン専用のテーブルだけです。このテーブルをどう設計するかが、表示の速さを左右しました。
タイムラインの作り方には、大きく2つのアプローチがあります。「閲覧時に組み立てる」方法と、「投稿された時点で、並べたものをあらかじめ用意しておく」方法です。
| 方式 | 処理の概要 | メリット | デメリット |
| 閲覧時に 組み立てる | 見られるたびに全タレントの投稿を 集めて時系列に並べる | 投稿時の処理が軽い | 閲覧のたびにかかるコストが、 投稿数に比例して大きくなる |
| 投稿時に 並べておく | 投稿された時点で、時系列に並んだ タイムラインをあらかじめ作る | 閲覧が速い | 投稿時の処理が少し重くなる |
ホロプラスは「見られる回数が圧倒的に多く、投稿される回数は相対的に少ない」サービスです。そこで閲覧体験を最優先に考え、後者(投稿時にあらかじめ並べておく方式)を選びました。投稿のたびにこのテーブルへ順番を記録しておけば、閲覧時はすでに並んだものを順に取り出すだけで済み、軽快なスクロールを実現できます。
一般的なSNSでは、見る人ごとにタイムラインの中身が変わるため、開くたびに一人ひとりに合わせて組み立て直す必要があります。その点ホロプラスは、投稿するのはタレントさんのみで、全員が同じタイムラインを見ます。見る人ごとに中身を変える必要がないので、タイムラインをひとつ用意しておけば済み、この方式が成り立ちました。
この方式でも、タレントさんの投稿が通知で一斉に届いた瞬間などには、アクセスが平常時の数百倍にまで跳ね上がることがあります。そこで、タイムラインから個々のスレッドを表示する際には、一度取得した内容を短い時間だけキャッシュします。これにより、同じスレッドへの問い合わせが重なっても、データベースへの負荷を抑えられます。こうした負荷はあらかじめ想定して設計しており、これからも改善を続けていく課題だと考えています。
投稿が表示されるまでの流れ
投稿時と閲覧時で、データの流れは次のようになります。

気軽に投稿でき、楽しく追える場所へ
タイトル必須をなくしたことで、タレントの皆さんの発信は日常の延長で続けられるものになりました。ファンの皆様は、ひとつのタイムラインを追うだけで、全タレントの最新の動きも、タレントさん同士のやり取りも楽しめます。
今後もタレントさんやファンの皆様が、より豊かな体験を得られるよう、体験価値の向上に取り組んでいきます。
まとめ
ここまで、ホロプラスくじとタレントタイムラインという2つの機能について、その背景と設計の考え方を紹介してきました。生まれたきっかけも届けたい体験も違う2つですが、開発で大切にしている部分は共通しています。
それは、「何を実現したいのか」という目的から逆算して手段を選ぶ、という考え方です。技術の都合ではなく「ファンやタレントの皆さんにどう使われるか」から考えて、手段を決めています。
今回どちらも「既存の仕組みを活かす」場面が多かったのも、一から作ることに価値がないからではなく、限られた時間で目的を果たすのにそれが最適だと判断したからです。新しく作るかどうかは、目的に対する選択肢の一つだと考えています。
目の前の体験を、確実に・速く・長く使える形で届けること。これからも技術と企画の両面から、タレントの皆さんとファンの皆様が普段から使いたくなるホロプラスを目指して開発を続けていきます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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