
カバー株式会社が運営する「ホロライブプロダクション」の全体イベント「hololive SUPER EXPO 2025 Supported By BANDAI」および「hololive 6th fes. Color Rise Harmony」(音楽ライブ)が、2025年3月8日(土)、9日(日)に幕張メッセ 国際展示場にて開催されました。
COVERedge(カバレッジ)では、2日間通して賑わった「hololive SUPER EXPO 2025」について、現地取材をはじめ、ブース担当者や来場者の声を通して、イベントの魅力を全3回にわたって振り返ります。
第1回は全体振り返りに加えて、担当者インタビューを交えたブース運営の舞台裏をお届けするレポート前編です。
ファンの熱量に応え、没入感のある体験を提供するために、各ブースがどのように企画され、ブースを楽しむファンの反応をどう感じたのか、担当者ならではの視点からお話を伺いました。細部にわたる工夫や予期せぬ嬉しい出来事、さらには今後の展望まで、ブース運営の舞台裏をお伝えします。
『hololive ARCADE』をテーマに唯一無二な世界観への没入体験を

今年で4回目の開催となった「hololive SUPER EXPO」(以下、EXPO)。今回は幕張メッセ 国際展示場の展示ホール1〜6を利用した過去最大規模での開催となり、2日間を通しての来場者は約35,000人を記録しました。
2025年はテーマに『hololive ARCADE』を掲げ、ホロライブプロダクションのメンバーと遊んで、競って、協力し、一緒に楽しむホロライブアミューズメント体験を提供する様々なコンテンツを展開。EXPO会場は2つのエリアに分かれ、カバー主催のブースやフードコートなどがホール1〜3に、ホール4〜5にはスポンサー企業ブースが立ち並び、来場者は新作アイテムやコラボグッズの展示、体験型ブースを楽しんでいました。
まず、会場へ入ると、クレーンゲームを模した「エントランスゲート」が来場者を迎え、アーケード空間の始まりを演出。ゲートをくぐるとゲームセンターや遊園地のような華やかな空間が目の前に広がるという、EXPOの世界観に没入できる仕掛けが施されていました。


ブースの他にも、「EXPO STAGE」で開催されるステージイベントや、タレントの魅力が表現されたフードの販売があり、1日丸ごと遊びつくせる内容に。ステージイベントでは、タレントとファンが交流できるゲーム企画などで盛り上がりを見せていました。


「一体感と思い出を大切に」多彩なブースが創り出すアーケード体験
個性豊かなブースを巡る中で、見逃せなかったのは、あらゆる展示に施されたタレントやクリエイター直筆のサインやメッセージ。リアルに推しメンバーの存在を感じることができるため、撮影を楽しむ多くのファンで長い列が形成される様子も随所に見られました。

各ブースでは「メンバーと一緒に楽しむアミューズメント体験」をコンセプトに、撮影を楽しむ展示や、ゲームやアトラクションなど、ホロライブやホロスターズを五感で楽しめる体験型コンテンツを展開。それぞれのブースは一体どのような内容となっていたのでしょうか。
ここからはカバーの出展ブースについて、担当者の声を交えながら1つずつご紹介します。
①OFFICIAL GOODS SHOWCASE

「OFFICIAL GOODS SHOWCASE」では既存商品の展示に加え、新グッズ情報も紹介。クレーンゲーム筐体を活用したユニークな展示が目を引きます。筐体付近にあるスピーカーからは、タレントの撮りおろしボイスが流れ、多くのファンが足を止めて聞き入っていました。

Q. EXPOにはたくさんの展示がありましたが、特に新作グッズはSNS上でも話題になっていました。来場者やSNSの反応を見てどのように感じましたか?
「新情報があるかも?」と事前に公式Xで告知した中、ちゃんと喜んでいただけるかな?と不安な思いもあったので、たくさん反応いただけたことに正直ホッとしました。当日は、まさか待機列ができるとは思っていなかったので、想定よりも多くの方にお越しいただき驚きました!また、今回限りのタレントさん達のボイスも楽しまれる様子を見て、準備して良かったと感じました。
Q. 展示の感想や苦労した点があれば教えてください。
実はクレーンゲーム筐体がグッズ展示に向かないうえ、プライズ商品ではないものを中に飾るための各方面への調整がとても大変でした……!しかし展示を通して新情報を自ら発信してくださる方も多く、新グッズへの期待値や盛り上げをファンの皆様と一緒に作ることができたことは大変嬉しく思います。
今回お披露目したグッズを含め、これまで年々拡大するファン層の期待に応えるべく、様々なグッズ開発に取り組んできました。今後も蓄積したデータを活用しながら、より一層ファンの皆様のニーズに即した商品展開を目指してまいります。
②holo Indie & hololive Official Game

「holo Indie & hololive Official Game」では、ホロライブ関連のゲームを二つのセクションに分けて展示。「holo Indie」セクションでは二次創作PCゲームを多数展示し、「お宝マウンテン」などタレントが配信でプレイした人気タイトルが試遊できるよう設置。「公式タイトル」セクションでは商業ゲームデベロッパーと共同開発したタイトルを紹介し、PV上映や特装版グッズ展示などでゲームの魅力を伝えていました。


Q. 来場者からの反応はいかがでしたか?
事前に多くの方が来場されることを想定して準備していましたが、ステッカー配布や試遊整理券に長い列ができる様子を目の当たりにして、嬉しさと同時に圧倒される思いでした。SNS上でも「holo Indieブースが一番楽しかった」という投稿をいくつか見かけました。素晴らしい展示や体験コーナーが多数ある中、そのような評価をいただけたことは、準備を頑張った甲斐があったと感じています。
Q. どのゲームが特に人気でしたか?クリエイターからの反応もお聞かせください。
タレントさんの配信でもよく遊ばれる『お宝マウンテン』『holo8』『HoloRun』の試遊が特に人気でしたね。それ以外にも未発売タイトルだった『MYRIAD DEATH』『Chrono Gear: Warden of Time』も多くの方に先行プレイいただきました。普段PCゲームをプレイしていない方も多く立ち寄っていただき、「holo Indie」作品を広く知っていただく良い機会になったと思います。
これらのゲームを制作してくださったクリエイターの方々からも「ホロライブファンの方に触れていただく良い機会を用意いただいて、ありがとうございます」と感謝の言葉を頂戴しています。「holo Indie」はクリエイターの創作活動に支えられているので、来場者の中からゲーム制作に興味を持っていただける方が増えれば嬉しいですね。

③HOLOLIVE ALTERNATIVE

メディアミックス作品「HOLOLIVE ALTERNATIVE」ブースでは、その世界観に没入できる空間となっており、作品の様々なビジュアルが展示されました。また目玉企画として『ヤマト神想怪異譚』 『それゆけ!! 魔界学校』 『ウェスタdeクッキング』の各マンガ家※1によるライブドローイングを実施。時間経過とともに作品が仕上がっていく様子を多くのファンが見守っていました。
※1:ヤマト神想怪異譚:黒瀬浩介 先生
それゆけ!! 魔界学校:モロやん 先生
ウェスタdeクッキング:ヨハネ 先生


Q. ブースのコンセプトやテーマや、印象に残っている企画やエピソードの感想などを教えてください。
「HOLOLIVE ALTERNATIVE」をあまり知らない方にも、新たに出会って知っていただける機会を作りたいと考え、世界観に没入できるブース作りに努めました。各マンガ家の方々によるライブドローイングは、時間経過とともに作品が出来上がります。これは何回足を運んでも楽しんでいただけるコンテンツになると思い、企画実現にいたりました。
またご協力いただいた『ヤマト神想怪異譚』の黒瀬浩介先生からは「何もかもが初の試みの中、大きな失敗も無く良い絵に仕上がったのは、見てくれたホロリス(ホロライブファンの愛称)みんなの熱量に引っ張ってもらえたところが大きいと感じました。得難い体験と共にEXPOに参加させてもらえて楽しかったです」と嬉しい感想もいただくことができました。
Q. 今後の展開について教えてください。
マンガ関連では『それゆけ!! 魔界学校』にハコス・ベールズさんが登場し、新章がスタートしました。さらに5月7日には『ヤマト神想怪異譚』第3巻と『ウェスタdeクッキング』第1巻が発売となりました!また、「ホロライブ・オルタナティブ」を題材にした2Dドットアクションゲーム『FUBUKI ~zero in on Holoearth~ HOLOLIVE ALTERNATIVE』がSteamにて好評発売中です。続々と新コンテンツが生まれますので、ぜひ今後の展開にもご期待ください。
④ホロライブゲームセンター

「ホロライブゲームセンター」は、EXPOのテーマに沿った本格的なゲームセンターブースに。今までのEXPOにはなかった本格的な体験コーナーとして、ブース展開としても新しい挑戦となりました。ブースでは『ハンマーフリーフォール』『ホロウォーズ』などタレントが事前に遊んだゲームを体験することができ、タレントのスコア記録に挑戦するファンの姿が見られました。


Q. 今回のゲーム企画のこだわりや苦労した点を教えてください。
「タレントと一緒にゲームを楽しむ」体験を提供するため、タレントさんの存在を感じてもらえるよう動画やボイスに特にこだわった結果、今回のEXPOで一番多くのタレントさんが関わったブースになりました。タレントの皆さんには、ゲーム自体へのアイデアもいただき、事前の試遊でも楽しく遊んでくださいました。
苦労した点は安全対策面ですね。ハンマーを振ったり、パチンコでボールを飛ばしたりするので、プレイヤーと周囲のお客様の安全に配慮しました。ハンマーの重さを3種類用意したり、ネットを付けたりと工夫したほか、スタッフにしっかりと見守ってもらったおかげで大きな事故なく楽しんでいただけてホッとしています。
Q. 印象に残っているエピソードや出来事はありますか?
途中から、待っているお客様がプレイするお客様を応援してくださるようになったり、成功した時に拍手が起こったり、ファン同士の暖かい盛り上がりが印象的でした。
また、皆様が熱心にゲームに取り組まれた結果、最終的に台座がボコボコになったことも印象深いです(笑)。台座に名誉の負傷ができるほど盛り上がっていただくことができ、楽しい思い出作りのできたブースになったのではないかと思います。
⑤ホロスターズ・バトルストリート

「ホロスターズ・バトルストリート」では「路地裏でのバトルを観戦する」というコンセプトを元に、格闘ゲーム風のストリートアートが施されたブースに。ホロスターズのタレントたちによるゲームやカラオケ、生配信などのステージイベントが行われ、朝10時からの配信コーナーのために開場10分後には最前列のセンターを確保しようとするファンの熱気も見られました。


Q. 印象に残っている来場者やエピソード・出来事があれば教えてください。
朝一番からブースにお越しいただき、ステージイベントまで待機されていたお客様や、手作りの法被をきて並んで観戦されていた方々が強く印象に残っています。コスプレにつきましても、通常衣装だけでなく、季節ボイスやシーズンイベントでのみ使用した限定衣装、最新のStarry衣装、EXPO2025の衣装など、さまざまなホロスターズのコスプレをされた方々がブースにお越しくださいました。
中には数週間前に発表されたボイスの衣装の方もいらっしゃり、とても驚きました!
また、海外と日本のホロスターズファンの方々が、イラストやお菓子の交換をしながら楽しそうに交流されていらした様子も印象に残っています。
Q. 今回のEXPOならではのこだわった点があれば教えてください。
「バトルストリート」というブース名に合わせて、出演するタレントの皆さんに必ず何かしらのゲームバトルを実施いただいた点がこだわりですね!メンバーだけでゲームをするのではなく、カメラを通してファンの方にも協力していただき「一緒にクリアを目指す」という、会場の皆さんも一緒に体験する企画に仕上がりました。結果的に、イベントを通して生の一体感が生まれていたのではないかと思います。さらにゲームでは、ホロスターズを初めて知る方にも「メンバーの特性がわかりやすい内容」となるよう心がけました。
⑥魔法少女ホロウィッチ!

「魔法少女ホロウィッチ!」では、ミラーハウスのギミックとタレントボイスによって作品世界への没入感を高めた演出が光っていました。ブースにはタレントの等身大スタンドと、昨年9月公開の3Dアニメーション作品『魔法少女ホロウィッチ!THE STAGE』のステージ背景を再現したフォトスポットを設置。さらに、タレントとの2ショット撮影ができる特別仕様のプリントシール機も人気を博していました。


Q. 印象に残っている来場者やエピソード・出来事があれば教えてください。
発売中の作品グッズを装備いただいていたり、コスプレ衣装でご来場されている方々がたくさんいらして、思い思いの溢れる熱量を発信されている姿がとても印象的でした。缶バッチでホロウィッチそれぞれの推しの痛バックを連番で並べてSNSに投稿されている方々や、コスプレでホロウィッチ集合の企画を主催して集まっていただいた方々など、コミュニティ交流の場として、みんなで集まる機会を設けていただいていたのもとても印象的で嬉しかったです。
Q. プリントシールを採用した意図・企画にまつわるストーリーがあれば教えてください。
プリントシールはこの日この場所で体験したことを「思い出の品」として持ち帰ることができるという点が一番大切なポイントでした。EXPOという「お祭り」の場所で、グッズや服装など気合いを入れてくださったお客様がたくさんいらしたので、シール撮影の場で思う存分楽しんでいただき、「思い出の品」として残していただける機会を作れたのは良かったと思います。
プリントシールの筐体は装飾デザインがホロウィッチの特別仕様となっていましたが、操作時の音声アナウンスもタレントさんに撮りおろしていただいた特別なボイスを使用していて、EXPO会場限定のスペシャルな体験となるように細部まで作り込みました。